建物の傾き・軟弱地盤

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建物が傾斜している原因はさまざまな要因があります。建物本体の強度不足によるもの、施工時の施工精度によるもの、或いは地盤に起因するものなどです。簡易測定のみで傾斜の原因を特定する事は困難ですが、傾斜の方向性を確認したり、傾斜が垂直方向と水平方向共現れているのかなど傾向値を知る事が出来ます。その計測結果を基に今後の対策の有無や修繕の必要性について判断しています。尚必要と判断した場合は、原因特定の為の専門調査(詳細な傾斜測定)をお勧めしています。

傾斜の主な原因
1.宅地造成によるもの(切土・盛土などによる地盤沈下・新築の場合概ね3年程度で沈下の進行が止まるケースが多い)
2.擁壁の不具合(劣化・強度不足)
3.基礎本体の支持力不足
4.基礎工事の施工不良
5.隣接地の宅地造成や建物の建築

住宅診断|造成地盤造成により当初の斜面の高い側が切土され、切土された土を低い傾斜側に盛土し、水平面を構築します。切土部分と盛土部分では地番の強度に差が生じることになります。基礎の設計時にこの事が配慮されていないと、盛土側は圧密沈下を起こし、地盤沈下及び建物の傾斜の原因になります。傾斜地では低い側に建物が傾斜する傾向があるので注意してください。但し、新築の場合、概ね3年程度で圧密沈下が終焉し、建物の傾斜の進行も止まるケースが多いと思われます。尚、床の傾斜が気になる場合は、張り替え時にレベル調整する事で解消できます。

 

住宅診断|建物の傾斜測定基準

 

建物の傾斜値に対する考え方(特に既存住宅)

木造軸組工法〈在来工法〉の柱の倒れの施工誤差に関して「戸建住宅の建方精度と合理化に関する研究(山畑信博・1991年)」によれば、柱の倒れの平均値は、手刻み材が2.72mm/1000、プレカット材が2.30mm/1000、乾燥プレカット材が2.28mm/1000であり、ほぼ差がなく、これを踏まえれば3/1000程度の柱の傾きは、通常の施工誤差で発生し得るとの考察がされています。

また、「小規模建築物基礎設計の手引き(日本建築学会・1988)」によれば、木造住宅において通常想定される地盤の沈下による傾斜の勾配は(施工誤差による傾斜の勾配を含まず)3/1000程度が想定される範囲と考えられています。
したがって、通常想定される施工誤差による傾斜と通常想定される地盤の沈下による傾斜が同一方向に発生した場合、3/1000+3/1000=6/1000程度までの勾配の傾斜は、これらの要因のみで発生し得ると言えます。

住宅の品質確保の促進等に関する法律第70条の規定に基づく、建設省告示第1653号住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準Ⅵ基準の詳細解説抜粋